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宇宙刑事シャイダー第26話<魔界ゾーン大当り>(1984.9.21)

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双葉社宇宙刑事大全

ヘスラー指揮官どのの笑顔と背広姿をただ満喫する回(※1)。
現実と非現実の境目を鮮やかに突いてくるスタイルは宇宙刑事シリーズ全般の特徴(※2)とも言えるが、フーマの場合はそれが特に顕著である。
ゼイリブと言う洋画があるが、なんの変哲もない隣人が実は侵略者であると描かれる恐怖(※3)はフーマのそれと本質は同じ。そしてその恐怖をより分かりやすく示すためには、ちょっと笑顔の可愛らしい、本当にどこかの不動産屋に居そうな、営業マンお兄さん(※4)は適任と言うわけである。
何より、特撮において敵方の女性は古来より騙すのがある意味デフォなので、変装態で画面に現れても、視聴者側も心の準備みたいなものを持てるが、男性幹部がやると言うのは結構スペシャリテ(※5)。
ヘスラー指揮官どのの初変装よりもギャル軍団の七変化エピソードの方が時系列的には先に来る上(※6)、変装潜入回数は圧倒的にギャル軍団の方が多い(※7)のだが、演技技量もルックスも申し分ない男性幹部が先陣切って諜報潜入してくると言うのは、ギャル軍団だけのそれと比べると、見ているこちらが感じるリアリティが雲泥の差なのだ。
まあ、そんなことすべてかなぐり捨てて、ひたすらに爽やかな青年営業マンを堪能するのが正しい推し方(※8)。目も耳も幸せ。

※1/居るわ、こう言う不動産営業マン。完全人畜無害の爽やかハンサムお兄さん。こんなリアルな潜入行動されたら、現実ではまず太刀打ち出来ない。少なくとも当方には見抜く自信はない。
※2/現実問題として、ヒーローが街中で怪物相手に大立ち回り、と言う場面に遭遇する人はまあ居ないだろう。その現実との解離を、宇宙刑事世界では魔空空間や幻夢界、不思議時空を設定する事で補完した。一般人には感知できない亜空間で人知れず宇宙刑事たちがいまこの瞬間にも戦っているのかも、と思えるリアリティ、一体感は、他の特撮作品ではなかなか味わえない醍醐味。
※3/ギャバンにおける汐路章氏の校長先生もかなりリアルで怖かったが、此方は悪だと分かる配慮がなされていた。善人に見える悪人の恐ろしさと言うのはある程度歳をとって初めて分かる、現実と紙一重にある恐怖。久保氏の演技技量あってこその表現だと思っている。この辺は金メダル仕掛け人から一貫した戦略。
※4/完全ナチュラルメイクのみ、相手に対してメンチも切らず、声のトーンも一般人のそれ、と完璧に悪役オーラを排除した上で、とどめの人の良い笑顔。役者ってスゴいなあ。
※5/だからこそ、電脳の海に<ヘスラー指揮官イケメン>の書き込みが大量投下されているのである。知識もあり、目も肥えた平成の特撮ファンたちから見ても、ヘスラー指揮官どのは大幹部としてはスペシャリテなのだ。いわんや、昭和ファンをや。
※6/#7見たかギャル変幻、1984.4.20放送。なお、本放送時、当該エピソードのタイトルコールは大平透御大ではなく、あろうことか久保和彦氏であった模様。マジか。データ欲しい。
※7/お姉さま方全員おしなべて各人30回前後の変装。
※8/それしかしてない。