darupen_darupenがただ好きなモノを語るだけのブログ(darupen_darupenがただコレクションを羅列するだけのブログ、改題)

当方が愛するこもごもをランダム且つ気まぐれに電脳の海の片隅でひっそりご紹介。のはずが何か違う。

宇宙刑事シャイダー第13話<金メダル仕掛け人>(1984.6.1)

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バンダイ宇宙刑事シャイダービデオビームガン廉価版

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ギミック部のヘスラー指揮官どの

ヘスラー指揮官どのの精悍さ、久保和彦氏の素顔ギャップをただただ愛でる回(※1)。
ギャル軍団の初期呼称がギャル忍軍だったことを考えれば、それを率いるヘスラー指揮官どのも諜報潜入の心得あって当然なのだけれども、征伐征伐連呼していた当初からするとかなりの路線変更(※2)ではある。
何より特筆すべきは、この回のタイトル。金メダル仕掛け人として暗躍するのは他ならぬヘスラー指揮官どのなのであり、実質これは彼が主役の回(※3)なのだ。大抜擢もいいとこである。
シャイダーを語る際に外せない要因のひとつに、日常性の侵略がある。ある日突然空に宇宙の侵略者が現れて街を破壊して、ではなく、日常生活のなかにひっそり紛れて絡めとってくるタイプ(※4)。メトロン星人ザラブ星人に系譜を持つ、知的・文化的侵略である。
で、この知的侵略。ある程度人生歩いてきてから再考するに、こんなリアルな危機はない。現実問題として、現在進行形でやられてるんだからたまったもんではない。この身につまされっぷり、今の特撮でやろうとすると、アマゾンズ辺りまで振りきらないと表現不可能。それを子供向けに落とし込んだ(※5)上原正三はじめ当時スタッフの手腕は実はとんでもない代物と言える。
そのリアルな危機を彩るに欠かせないのは、パッと見善人そうな悪人である。演技表現の技量(※6)、ルックス(※7)共に、久保和彦氏ほどの適任はなかったろうと思われる。
因みに、この回を見て勁文社大百科を買い、当該インタビューページを擦りきれるまで読んだ当方は、今でも実は文章を暗記していたりする。我がことながらその情熱の尖鋭ぶりたるや。よくぞ我が親はこんな娘の趣味に口出しせなんだものである。

※1/ギャル1お姉さまとの老夫婦からダブル背広の好青年、グラサンのオプションを経て最後は純白のジャージ。どれもこれも特写スチールあれば需要まちがいなしの変化ぶり。
※2/以前も述べたが、この回がヘスラー指揮官どのまたは久保氏のターニングポイントであり、ここから切れ者系に舵を切る彼は変装潜入任務が一挙に増えるのである。お茶の間に顔を売る機会を得たとも言える。
※3/Blu-ray販促の一環で、YouTubeやらニコニコやらで全話配信していた関係上、あらすじやら感想やらは電脳の海にいくらも散らばっている。話の詳細や各種データはそちらを参照された方が絶対に良い。キャプチャをあげておいでのサイトなどは、もう目が幸せである。男は背広着てなんぼ。
※4/今回はスポーツと言う文化を堕落の手段とし、未来を担う若者をその毒牙にかけようと画策し、シャイダーに阻まれた、と言う事例。
※5/当時のメインターゲットに合わせるため、話自体は簡略化かつご都合主義になるのは特撮の宿命であり、多分当方を含む特撮マニアはそんなこと分かった上で鑑賞するので、その辺の愛故のダメ出しは他の諸兄に任せたい。
※6/騙しにかかる時はとことん一般人。目張りなし、抑えた発声。
※7/何回でも言う。めっさ男前。ヒール人間態が魅力的と言うのは、東映においてはハカイダーサブローやアポロガイストからの正統な伝統である。