darupen_darupenがただ好きなモノを語るだけのブログ(darupen_darupenがただコレクションを羅列するだけのブログ、改題)

当方が愛するこもごもをランダム且つ気まぐれに電脳の海の片隅でひっそりご紹介。のはずが何か違う。

映画『ムーンライト・ダイナー』(2021/日本)

当方は映画好きと言うには圧倒的に観覧数が低いし、あれこれ評論できるような知識も持ち合わせがない。気になったなら見に行く程度であり(※1)、大方半世紀生きてきて、銀幕で見た作品数は両手足の指で充分足りる。(※2)
カネを払った上、時間も作って、小屋まで足労かけて行くのであるから、実は映画鑑賞と言うのはなかなか手間のかかる趣味なのだ。
さて今回の作品、ムーンライトダイナー。
殆ど個人が持ち出しの予算と、神威杏次(※3)監督自ら声を掛けたキャスト陣がスタッフ兼任しつつ作った映画。と言えば、所謂アングラ映画だと誰しも思うし、実際その通りである。
興行も今のところミニシアター2館のみ(※4)、足りない資金は今流行りのクラファンで補ったとなればいよいよである。
家内制手工業作品の宿命、作り手の思いや内面が良くも悪くもそのまま投影されるのがこの手の映画。総じて取っ付きにくく難解で…などと思う当方の懸念を、軽やかに奪い去っていったとんでもない作品であった。(※5)
敢えて下衆な言い方をするなら、久しぶりにカネを払うに相応しい映画を見させて頂いた。
神威杏次氏の真髄、皆に見て欲しい。(※6)

※1/アニメや特撮でなければ、好きな役者が出てるとかじゃないとまず行かない。
※2/ゴジラ84、のび太の恐竜東映ヒーローフェア、ハカイダー、くたばれノストラダムスDEAD OR ALIVE、フォーゼ&鎧武、市川雷蔵祭、太秦ライムライト、鬼滅、そしてムーンライトダイナー。
※3/かつては悪役として特撮に欠かせなかった俳優であり、実際今もファンは多い。そして彼も悪役俳優の例に漏れず、ご本人は至って物腰柔らかで腰の低い気さくな方なのである。→福本清三氏、堀田眞三氏や萩野崇氏を思い浮かべて頂ければ。
※4/池袋シネマロサと、大阪十三シアターセブン。
※5/好き嫌いは仕方ないとして、お話自体は良く練られており、成る程と唸らされること必至。日本じゃない何処か違う世界線の日本で繰り広げられる少しノワールなお話であるが、あれは多分快傑ズバット見てた人なら問題ない。伏線回収もお見事。
※6/賢明なる諸兄は勿論ご存じであろうが、なんせコワモテで鳴らした悪役でいらしたのだ。→中でもカルロス東郷はその裏話含めて令和の今も半ば伝説として語られる。ご自身も言及しておられるので、もし当該エピソードを知らぬ諸兄におかれては是非とも電脳の海にてサルベージされたい。
そのコワモテの仮面の下に、あれほどの優しさ、繊細さを隠して居られた。今風に言うならギャップ萌えと言うやつである。

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