久々にアイテムが手に入り、新しい久保氏のお姿を目にすると、不肖の拗らせ末端ファンとしてはやはり色々考える。
今回一番思ったのは、ケイブンシャめっさええ仕事したはるわ、であった。39年の時を経て、編集スタッフの慧眼ぶりを目の当たりにする羽目になったのだ。
文学座退座以降の資料皆無、所属期間中のものは演者としてのポートレートであり、いきおい、男前モードでの撮影となる。テレビにも映画にも殆ど露出がなかった都合上、後世にそれしかお姿が残ってない。いや充分それで良いのであるが、違う面も見てみたいのがファンの悲しき性である。
大百科拝読当時、他のキャストがインタビュー記事でカメラ目線スチールを掲載されている中に、彼だけがなんともリラックスな一瞬をチョイスされており、麗しい久保氏を欲していた当方にはこれが少なからず不満であった。ところが、おおかた40年経過した現在、蓋を開けてみれば、あんな柔らか表情、どう足掻いても他の媒体で見られるものではない。あの緩さこそは、かなり近しい立場でしか見られない激レアモードに属するお顔だったのであった。