等とつらつら考えていると、テレビから知った声が。
北海道ローカル番組のタカトシランド(※1)、こちら関西では半年遅れの放映(※2)。奇しくも、先頃逝去の渡辺徹氏ゲスト回(※3)であった。
久保氏と同期のラガーであるが、何せ経歴も芸歴も華やかすぎる。太陽にほえろレギュラー、レコードリリース、主演舞台、ゲームバラエティ司会、ドキュメンタリーナレーション、合間にバラエティゲスト(※4)。
鍛えてきただけのことはある、トーク力が舞台俳優としては格段に高いのだ。それなりに笑いも取りに行ける。これは強い。
実は久保氏の弱点はこの辺りで、どうも、コミカルな方向は不得手だった気がして仕方ないのである(※5)。
配役状況を見るに、三枚目な役柄がほとんどないのだ。
ショートアイズ/賑やかしとは言え多分一番男前な看守
中学生日記/女性教諭のスマートな婚約者
GRポイント/ディーコンは配役記載が二番目、文字通りの二枚目
オセロー、リア/各種モブ一括引き受け、ハンサムでもコミカルでもない
シャイダー/多分これが初めての麗しくない役、の筈だったが、変装時の男前度爆上がりの結果に
團十郎と音二郎/壮士俳優、有る意味そのまま。ここで岡部耕大先生のお眼鏡に叶ったのだから、やはり男前だった模様
精霊ながし/ヒロインを一途に想う不器用系青年。男前でないとさまにならない
くたばれヤンキース/セネタース四番打者。所謂花形満ポジであり、これまた二枚目でなければならない
リアルシング/顔は良いがガサツな社会運動家、出獄後に女を頼ってくる役どころ。これもまた二枚目
商人/バサーニオウと言えば、原典では人品卑しからぬ前途有望な若者。当然ハンサム
坂井新一(そして戦争が終った)、杉下(女ともだち)、役名不詳(深夜にようこそ、植村直己物語)については未だデータ不足であるが、これはどう見ても、演じる役柄の幅が狭い。
芝居にずぶの素人ですらそう感じるなら。
ご本人は況んや此をや。(※6)
それが88年12月に繋がっていくのかも知れん、とぼんやり考える令和の成人の日であった。
※1/タカアンドトシの冠番組。ゲストを札幌市内の色んなお店に連れていくバラエティ。
※2/此方では奈良テレビ。
※3/去年の7月が本放映。
※4/ラガー、約束、マリウス、ポケモン、NHK、バラエティ数知れず。
※5/男前だと言う自負があれば、そりゃ難しかろう。関西出身となれば、面白いという付加価値がいかほどのものか知っているであろうに、それでもなお、ということは、もう本当に苦手でらしたんやろうなあ、と。
※6/いや勿論、それを打破すべく動いてらしたに違いない。そうでなければ、やったこともないミュージカルなぞに果敢に挑んだりするものか。